平成22年5月28日
香取慎吾さん
アクション時代劇の傑作シリーズ「座頭市」の集大成ともいえる完結編、映画「座頭市 THE LAST」が5月29日から名駅前ピカデリーほか全国東宝系で公開されます。。今回は、日本映画を代表する阪本順治監督が日本の美しい風景とともに、盲目の渡世人・市の最期を描きます。意思に反するところで人を斬り続けてきた市が、故郷に戻って人々との絆を取り戻し、愛する者のために刀を置こうとする、そんな市の壮絶な生き様を香取慎吾が熱演しています。香取さんに映画について伺いました。
【プロフィル】
1977年、神奈川県出身。歌手、俳優、MCなど様々な分野で活躍し、国民的な人気を誇る日本エンターテインメントのトップランナー。
今まで勝新太郎さんの「座頭市」を1本も見たことがなかったんですよ。監督に判断を聞いたら、1本目だけ見たらどうか、と言われて見ました。何十年も昔なのに、面白い。刀さばきがすごく早くて、スローモーションにして1コマずつを動かして見ると、刀がしなっている。娯楽映画なのに芸術性もあり、クオリティーが高い。ユーモアやアクの強さ、暴力性が一体となり、勝さんでなければ、成立していない映画だったと思います。
監督は、「座頭市」の魂を受け継いで、僕の喜怒哀楽、そこから生まれてくるユーモア、殺陣に加えて、ラブストーリーを入れた作品づくりを手がけられました。市は人の思いを汲みすぎるほど組んで、自分を押し殺し、人を殺めてきたことを自分の傷としてきちんと受け止め、生きてきた。彼はいつか仕込み杖を置き、家庭も作りたいという強い思いをクローズアップ。僕の今までの経験も含めたリアリティの強い香取慎吾の市を撮りたいと思われたんです。
ロケ現場は、山形県の鶴岡市。スタッフの方たちが88㌶(東京ドーム22個分)のなかに、1年以上かけて、1つの村を作ったんですよ。雪が深くて風が吹き荒むなかで、布団1つなく、タビをはいちゃいけない暮らし。そんななか、虹が出たり、桜が咲いたりと置かれた環境がすごい。大自然のなか、日本人のルーツを感じました。僕はすてきな監督やスタッフ、みなさんに支えられて現場に入った瞬間、自然にあの時代の市になれました。現場はほかに遊びに行くところもない、携帯も通じない。ただフキノトウを摘みに行くときには仕込み杖が役に立ちました(笑)。
市を演じるにあたっては、目が見えない経験もなく、相手の俳優さんたちの顔も見えないので、大変でした。撮影中は体中がアザだらけ。雪をころがって落ちて、人だと思ってつかまった足が馬の後ろ足で、スタッフの方たちは僕が蹴られると思ってヒャッとしたそう。僕は全然気がつかなくて、正座をして台詞を言っていました(笑)。
ヤクザ役の中村勘三郎さん、天道一家の親分、仲代達矢さんなど雲の上の人たちのオーラはすごい。車から降りてきた仲代さんには、殺されるかと思いました(笑)。たくさんの素晴らしい俳優さんたちと本気でぶつかり合う緊張感が楽しいし、エンジョイできました。
友人の母ミツ役の倍賞美津子さんが家を出て行く市を追いかけて手縫いの上着を渡すシーン。監督は本番前にきちんと時間を作ってくれました。周りは真っ白な雪の中で、周りもシーンとしている。2人で手を握り合って気持が通じ合えたと思った瞬間に「本番!」の声。倍賞さんの手が本当に暖かく、市はこの中にいたい、全部やめようかなとも思いました。監督は、撮影するにつれて、僕の体躯の大きさが刀を振るったときに、辛いことも全部突き放してきたと感じられたとか。体躯の大きい僕と土地から離れない倍賞さんの小柄な体が1つになる。表情は見えないけれど、シルエットで2人の気持を映し撮られました。
この映画の魅力は、斬った、斬られたという部分だけでなく、最愛の女房タネ役の石原さとみさんに対する思い、周りの人たちとのつながり、愛のすれ違いや間違った方向にいっている“哀”もいっぱいあって、魅力的です。
ぜひ、ご覧になってください。








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